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著作権法による保護

 ここでは、著作権法によって保護できること、できないことをご説明します。

(1)著作権はキャラクターの原画にある!

 キャラクターは「漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念」といわれており、キャラクター自体に著作権はないと考えられています。

 しかし、「ひこにゃん」に関する報道など見ていますと「キャラクター」と「著作権」との関係が盛んに報道されていますね。

 これはどういうことなのか?

 実は、キャラクターの場合にはその原画が「美術の著作物」として著作権による保護が認められているケースが多いのです。キャラクターが描かれたTシャツであれば、キャラクターの原画にある著作権に基づき、保護を主張することができる、といった感じです。

(2)著作権も万能でない?

 著作権には、注意しなければならない点がたくさんあります。

①著作権は無方式主義

 無方式主義ということは、著作権を発生させるために面倒な手続きや費用をかけなくていいということです。つまり、著作権は著作物を創作をした時点で発生しますので、一見有利のように思えます。

 でも、第三者には、誰が著作物を創作したのか、いつ著作物を創作をしたかといったことは分かりませんよね。著作権による保護を主張しようとすると、これらを一から客観的に証明する必要があるのです。

 客観的に証明する必要がある、とはどういう意味か?

 単に、「私が創作した」、「****年に創作した」と主張しても客観的な証明にはならないということです。

 これに対して、「著作権を登録する制度を活用すればいい」と言う方もいらっしゃいます。

 しかし、著作権登録制度というのは、著作権の二重譲渡を防ぐのを主な目的として創設された制度ですので、誰が著作物を創作したのかといったこと自体の証拠作りには活用できません。

 ですから、著作権の発生に関係しそうな証拠は、ささいなものでも残しておきましょう。これが、キャラクター保護の大事な秘訣の1つです。

②著作権は相対権

 相対権ということは、同じような著作物であっても、別々に著作権が発生する可能性があるということです。つまり、たまたま同じような著作物を創作したことを相手方に証明されてしまうと、著作権を主張することはできません。

 逆に、あなたの著作物に対して誰かに著作権を主張されることさえあり得ます。

 最近の事例としては、キャラクターの事例ではないのですが、歌手の槇原敬之さんと漫画家の松本零士さんの裁判が思い出されますね。

 ですから、自分のキャラクターを守るには、相手の著作物とは無関係に自ら作り出したキャラクターであることが客観的にわかるように関係資料などを保存しておくことが重要になります。

③キャラクター商品自体の美術性

 美術性ということは、純粋美術や美術工芸品と同視することができるくらいのレベルが要求されるということです。

 純粋美術や美術工芸品と同視できる、とはどういう意味か?

 一般的には、美的鑑賞の対象となり得るものと考えられています。

 この美術性に関しては、キャラクター商品のような実用品について、説明を要求されることが多くなっています。

 ですから、キャラクター商品について著作権を主張する際は、美的鑑賞の対象となり得るということを説明できるよう準備しておきましょう。

(3)まとめ

 キャラクターの原画に基づく著作権は、その性質から、比較的保護を主張しやすいといえます。

 ただし、実際に保護が認められるまでには、思わぬ時間とコストがかかるのも事実です。

 ですから、他の法律(意匠法や商標法等)も複合的に活用し、キャラクターの保護を万全にしたいものですね。

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